日本港湾経済学会では学会創設50年記念の集大成として「海と空の港大事典」を編纂しました。海と空における国際貨物の潮流は大変革を遂げています。国際市場はアジア市場を軸に一段と成長を遂げ、欧米市場を中心とした貨物の流れから、アジア地域からの貨物の動向が顕著となり、今やアジア経済の興亡が国際経済に及ぼす影響力ははかり知れません。
シンガポール港、上海港、香港港、釜山港等のアジア地域に立地する各港湾が国際ハブ港として大きな潮流となり、国際経済を牽引しています。
一方、空の港を見ても欧米の主要空港はいうに及ばず、アジアの中でも韓国のインチョン(仁川I) 空港は国際ハブ空港としての役割を果たすように成長を続けている1つの例として見ることができます。日本では東京国際(羽田)空港が30数年ぶりに国際線を復活させたことでハブ空港に向けて再出発したものの、その道のりは厳しいものといわざるをえません。
日本の海と空の港は国際交通や国際物流の激しい競争と成長の潮流のなかで立ち向かっていかなければならない過酷な状況におかれています。このような状況下で日本港湾経済学会が「海と空の港」の役割と機能を歴史や文化の側面からも見つめながら、海港や空港が直面している現状にも視点をおいた必要かつ重要項目を取捨選択して編纂した大事典と本書はなっています。
学会創設以来の50年間、国内外の政治・経済・社会の情勢は激烈に揺れ動いてきました。とりわけ、日本国内では、20日(平成23)年3月11日、午後2時46分にマグニチュード9.0の大地震が発生しました。時速900km、高さ30m以上にも達した所もあるといわれた大津波の襲来をうけ岩手県、宮城県などの各沿岸部に点在している漁港を含め港湾施設は崩壊し、市街地全体が根こ削ぎ津波に流されてしまい全くの平地と瓦礁の山となりました。また、福島県に立地している東京電力の原子力発電所がこの大地震で破壊され、放射能漏れ・大気飛散などが発生して住民が他県
町村に避難する事態となりました。
2011 (平成23)年7月3日現在、東日本大震災で亡くなられた方、約1万5,000人、行方不明の方、約5,000人、さらに、避難されている方々は約8万7,000人となっています。まずは、亡くなられた方々のご冥福をお祈りするとともに、行方不明の方々には一刻も早く見つけ出されることを念じる次第です。とくに、被災地の方々の心情を考えると、被災地ができるだけ早く復旧・復興することを願うばかりです。
本事典の編纂を企画した時点では、大震災を予想したものではありませんが、結果としては、震災の時期に遭遇してしまいました。この時期に、「海と空の港大事典」が出版されたとしても、震災からの復旧・復興に直接的な効果を発揮するものではないかも知れません。しかし、このような時期にこそ一冊の新事典が出版できたことは大きな意義と価値があるものと思います。
本事典の編纂が企画され、多くの執筆者の協力といく度かの編集会議を重ねて事典の完成をみることができました。本事典の大きな特長は、歴史、文化、観光、港湾、物流、海運、航空、空港、環境および法律の多分野に及んで、いることです。そして、各分野に関連性を有した項目の解説を試みていることです。全章ll章で構成されていますが、各章ごとに大テーマが設定されており、さらに、細かなテーマの下で各項目について解説されていることです。
海港、空港を軸に上記した分野に関する用語や事柄について約1,200項目を数多くの専門家がポイントを押さえてわかりやすく解説しています。まさに、海と空の港の役割や現状およびあり方を広く啓蒙することが本事典の狙いです。
それゆえ、各分野で日々、業務を果たされている方々や業務に日が浅く、これから必要な知識を蓄積して業務に役立てようと考える人および市井の方々の知的欲求を刺激して広く深い知恵を駆使できるような、一冊と本事典がなることを切に望むところです。
最後に、本書は喜多村昌次郎先生が寄贈された喜多村フアンドから援助をいただき、製作されました。ここに記して、御礼にかえさせていただきます。
2011年8月吉日
日本港湾経済学会会長 三村眞人

本書は、創立50周年記念事業として本学会の団体会員でもある㈱成山堂書店より上梓されました。名誉会員であった故三村眞人先生の序文を掲載して概要とさせて頂きます。
尚、本書は既に絶版であり、入手できません。PDFでの閲覧(本文は印刷不可等の設定をしております)のみの公開とさせて頂きます。
第2章 船舶と航空機の種類と事故事例 海運業界の現状と課題、ハブ港の重要性
第3章 海運競争と物流システム アジア地域の経済成長とコンテナ港の競争時代の到来
第4章 航空サービスと航空政策 航空業界の現状と空港(ハブ)の重要性
第5章 海の港の物流・運送事業とハブ港化 国際物流の現状と日本の港湾への影響について
第6章 空の港の施設とハブ港化 国際航空貨物輸送の史的発展と日本の空の港
第7章 海の港の都市開発と観光・集客 都市の臨海部の再開発による観光・集客力
第9章 海と空の港の国際事情 アジアのハブ空港競争の現状と課題
第10章 海と空の港の行政と機関 21世紀、日本の観光立国と観光行政





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昌栄運輸 株式会社
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東京国際埠頭 株式会社
原田港湾 株式会社
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