以下、本アーカイブの概要に替えて、創立55周年のデジタルアーカイブ化に寄せて頂いた 吉岡秀輝元会長のご挨拶文を掲載致します。
日本港湾経済学会は1962(昭和37)年に創設されました。その当時の模様を、年報40号に掲載されている「学会40年史事情」を頼りに少し振り返ってみたいと思います。
まず、この頃は、日本が戦後復興を遂げ、高度経済成長期に入っていった時代です。しかし、そのような中で港湾研究は、依然として幕末・明治以来の港湾土木工学が主流をなしており、社会科学的考察には重きが置かれていないのが実状でした。
実際、創刊号序文には、「経済を通じて港湾をみる港湾経済の研究は、技術や行政などの面からの港湾研究に比べると非常に立ち遅れている」とあります。その状況を危惧して、当時、先進の学者たちが集まって創設されたのが日本港湾経済学会です。以来、55年の長きにわたり、当学会は「経済を通じて港湾をみる」ことをその任務として参りました。
とはいえ時代は今、大きな変革期を迎えております。とりわけわが国の港湾に大きなインパクトを与えているのが、経済のグローバル化と少子高齢化の波です。少子化による長期的な人口減少が進む中、市場の収縮は当然の帰結であり、その結果、わが国の製造部門は、より大きな市場を求めてグローバル化を果たしています。いわゆる地産地消が浸透し、現地生産・販売のスタイルが常態化して、輸出による外貨獲得、その外貨収入によって一次産品を輸入するという貿易構造自体がもはや成り立たなくなりました。貿易の拡大により、港湾機能の拡大が図られてきた学会創設の時代と全く様相を異にしています。
しかしそれでも「経済を通じて港湾をみる」ことの重要性は、いささかも変わるものではありません。この度の年報電子化は、脈々と続いてきた学会の英知を映し出すものでもあります。われわれを含め、特に若い港湾研究者にとって、学会の初期からの著作に触れる機会は非常に少ないので、大いに活用していただけるものと確信しています。
最後になりましたが、創刊号以来今日までの年報執筆者ならびに会員のみなさま方のご努力とご研鑽に最大の敬意を払うものであります。

はじめにお読みください。
このページは、かねてより懸案でありました、日本港湾経済学会年報「港湾経済研究」創刊号~のアーカイブを、デジタル複写・制作したものです。デジタル化して記録保存を目的としています。当アーカイブで、提供する全ての論文等に関する著作権は、日本港湾経済学会等の権利者に帰属します。
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